定番 (あたらしい教科書 4)酔いがさめたら、うちに帰ろう。ひとり日和を読む。ひとり日和、主人公の「くせ」がどうも苦手で、ところどころ苦しかった。
話と話の間に、すっと煙草に火をつけ、相槌をうちながら灰を落とす。その携帯灰皿が猫型だったときのおかしさといったら、ない。携帯灰皿を贈るときには銘柄との取りあわせを考えるべきだ、などといつ使うのか定かではない思いつきをふくらませ、そうこうしているうちに、2本目の煙草がきゅっと音を立てた。
こんにちは、とすれ違いざまに懐かしい声。久々に会う後輩は、どこかすっきりしない顔をしている。うまく眠れてないのだそう。いつでも一緒に寝るから、と言って別れてからも、やっぱり気になって仕方がない。元気になってくれるならどれだけ頼られたって平気なのに、あちらから踏みこまれない限り、私にできるのは帰って来られる場所を用意しておくことくらいで。なんて無力なのかと思う。早いうちに会わないと。