長電話につきあって午前4時。メガネをかけたまま倒れこんでいて、目覚めたときには一日の半分が終わっていた。図書館で本を借り、家に戻ってかぼちゃの煮物づくり。ワードよりもメモ帳の方が筆が進むことがわかり、だらだらと書く。
会うたび言葉を交わすたび、離れられない存在になってゆく。少しずつ踏み込みはじめてから、あの人を知りつつある。といってもあの人が甘いものを好きかどうかは知らない。初恋の相手は知っている。そういう関係。けれど加えられた情報によってその輪郭がブレることはなく、あの人の属性のようなものは今までもこれからも変わらないんじゃないかと、なかば願うように思いながらともに時間を過ごす。子供のようににやける顔も、右目が三重になる夜勤明けの顔も、運転しているときの他人みたいな顔も、そのどれもが私を安心させるあの人だ。