夜通しパチパチやっていたら朝がやってきて、新しい日の始まりを見届けてからひと眠り。隣の人が布団をたたく音で目覚める。同棲男女の日常は楽しそうで、時々聞こえる笑い声が眩しい。その隣にひっそりと生息している私の楽しみは晩ご飯と新しい石鹸です。早く届かんかな、石鹸。
フアナ・モリーナはすりガラスみたい。車のなかで聴いていたのがソンだったと今知った。最近恐ろしいのが、世の中にはいまだ知らないものがたくさんあるということで、知らないということもそれはそれで不幸なのだけど、知るということが好みの増殖を意味するのかと思うとぞっとしたりする。
思えば、あの人が高校生だったとき私は小学生だった。あの人が5歳年上の女の人に会いに行くためせっせとアルバイトをしていた頃、私はシール集めに夢中で、愛だの恋だのとは遠いところで生きていた。こうも違う人間とこうしてどこかで繋がるだなんて、あの頃の私は考えもしなかった。