ひとり旅中。ホテルから窓ごしの人影をみて、心細さをまぎらわそうとするも、眠れず一晩転がる。所在ない気分のまま、朝からスーツで歩く。
用事を終えてふらふらしていたら、幼なじみに会う。まっさきに、連絡しいやと怒られ、しかしこんなところで出くわすなんて気持ちわるいくらい仲良しやなーとにやける。春から東京だそう。私の好きな人たちは、次々東京に行ってしまう。これから映画を見ると言うと、「めがね」やろと言い当てられる。あんたカセリョウっぽいからなー、という理由。(なにそれ)
「めがね」を見る。初めは遠慮がちに笑っていたお客さんが、最後には大口をあけて笑っていた。出演者もセリフも少なめ。ともすれば、普通ぶってやだわーと言われそうだけど、この境目ってすごく難しい。めがねと格好の相性がよくって、スタイリストさんの名前を探してクレジットをじっと見ていた。小林さんの着こなしがちんまりした感じでかわいらしく、パンツの裾がちょっと余ったって、悔しがらなくていいかも、ぺたんこ靴でもいいかも、と思う。