煙たいにおいがいつまでも消えなくて、よそよそしいコートとマフラー。髪を結んで寝ころがり、やっぱり私のうちはここだと思う。カラオケ・ボーリングなんて、いつぶりだっただろう。髪をおだんごにしていたら、メガネ男子の本にこういう人いたーといわれる。男子ですか。朝まで起きておこうと思ったのに、目が覚めたら外は明るい。いそいそとお風呂に入り、乾きかけの頭で自転車に乗る。バイト先でくしゃみばかりして、恥ずかしい。
買えない味を読む。食材だけじゃなく道具もたくさん。調理スプーンの項にうなずく。平たいスプーンで、まぜごはんとか炒飯を作ってそのまま食べるとおいしいなー(行儀が悪い)。そういうとき、ナンプラー加減を間違うと落ちこむ。この間、サラダをまぜる用に木のスプーンを買ったのだけれど、自分で食べるのだからといつも手でまぜてしまって、出番がない。
話したかった人と偶然に出くわす。あくせくしたものの顔には出さないように、普通のそぶりをよそおう。よそおいすぎて、ふーん、へー、とまるでつれない返答をしてしまって、自分のばかーと思う。緊張して、長い指とその間の水かきばかり見ていた。水泳をしていなくても、水かきはできるのだそう。