試問の時間が貼り出されていた。よりによって、一番最後。ああ怖い。ぼうっとしすぎて、一階に下りてもさらにその下の、存在しない階段を下りようとしたので笑われる。
以前付き合っていた人が、出ていく。会おうとしないと会えない県に引越しをする日。そのことを昨日伝えられて、知らされる意味を考えようとして、やめた。離れてからも、調子が悪いときにちらちらとその様子をにおわせてきて、何をしてほしいかわかっているけどわからないふりをした。相変わらずのしまりのない態度に、以前と同じように腹をたてた。
ベッドで本を読みながら寝て起きて、あの人はこの癖が嫌いだったと思い出す。好きで楽しくて、嫌いになって面倒になって、そうして今は過ごした時間を普通に思い出せるようになったから、どうぞ元気でいてください。見送りには行かないけれど、そのかわり小さな色々を忘れないと思います、私は。