カーテンを開けると、近くの公園の桜が見える。きれいだね、という友人の言葉には同意できなくて、もう少しゆっくり咲けばいいのにとふてくされる。
不意に雨が降って、ひとつ約束が流れた。今日はそれも幸運だったけれど、春風に窓ががたがた鳴るし、明日の約束までの時間も確実に少なくなるし、やっぱり先に進まないではいられない。スプレーでばりばりの頭のままスルメを食べながら、そろそろ行かなければと思う。スルメくせーと言われながら、煙が途切れるのを待つ。
夜道を家まで歩く。家が近づくにつれて会話も少なくなって、寒いなーお腹すいたなーばかり。中華料理屋が、妙にきらきらして見える。