寒さのせいか日が射さないせいか、花が一週間たっても枯れない。引越しに備えて、ものを減らそうとしているのに、「迷い中」の箱の中身が増える。本の帯やどこかで拾ったメモや、ただ置いておくだけにしかならないものが増える。ついには紙類のつまった袋が…

誘われたので出かけてしゃべる。女子の手の血管は浮き出るか、一番怖かった話は、とまったく中身のない話をえんえんと。ぐずぐずになったコーヒーと、バネにされたストローの袋がだらしない。最後にはファミレスのトイレがこわい、一緒にいこ！などと言い始…

ひいきのお店にチョコレートを届け、考えもなくジンジャーエールを飲んだら寒くなってきたので、さっさと帰る。晴れているのにあられが降って、黒いコートにぷつぷつと張りつく。今年一番を更新し続ける冬。 学校に戻って試問用の資料作りをしていたら、だん…

試問の時間が貼り出されていた。よりによって、一番最後。ああ怖い。ぼうっとしすぎて、一階に下りてもさらにその下の、存在しない階段を下りようとしたので笑われる。 以前付き合っていた人が、出ていく。会おうとしないと会えない県に引越しをする日。その…

家を決めるときに観光をして、久しぶりに写真を撮った。カメラ重い。暗室道具を整頓していたら、エプロンからすごく体に悪そうなにおいがして、感謝しつつ捨てた。いつか自宅に暗室が欲しい。 バイトをして帰ってきたら、右耳の音がくもっている。人の声が、…

ガタガタとおもしろいくらいにゆれる電車に乗って家に帰る。誕生日だった母にマリメッコのものをあげたら、父がタグを見て、ミエコか（母の名前）などと言い始めたので笑った。使っているアルファベットは似てるけど多いだろう、数が。 お風呂で恐怖・恐怖対…

寒くてまっすぐ帰るから、家に食べものがない。リンゴやミカンをそのまま食事にして、動物園かと思う。卒論を出し終えて研究室をのぞいたら、まだまだ焦る人だらけで浮き足だっている。打ちあげなんて言い出せる雰囲気ではなかったので、おとなしく図書館で…

すぐそばの道にザクロが転がっていて、なんとなくそこに決める。新しい家の１階は庭つきだけれど、住むのはあぶないと反対にあい、庭をながめる生活を選ぶことにした。しかしいいな、庭。ランドセルを背負った小学生が、ゆらゆらと定まらない足取りで歩いて…

チョコレートを口に入れ、鍵を回している間に、お隣さんが部屋から出てくる。一方的に恥ずかしい。学校でも、いつの間にか研究室がおやつ大会になっていて、家かというくらいに皆がくつろいでいる。すさんだ数日を過ごしたものだから、だらだらした会話さえ…

急がないでもよいことのために急いでいた、今朝まで。昨日は一歩も外に出ないままで、カーテンを開けたら少し雪が積もっている。張りきって、耳あて・帽子・手袋を全部つける。勢いづいてダウンも着たいという気分になるけれど、持ってないのだからどうしよ…

おもてがまぶしくて、すっかり夜の子になってしまっている証拠。だめやーと思って、昼間に動く。新しいものを注入しないといきていけないなんて、情けないのだけど、あれもこれもと考えるだけで少し元気が出る。物欲がふつふつ。 まわりで引越しの話が出始め…

タクシーの運転手さんがやさしいと、少しうれしい。イルミネーションが終わるから寂しいね、そうですねと話す。ノースフェイスの店に行ったら思いのほか楽しくて、自転車用手袋のグリップについて考えたりした。つるんとした素材の手袋を買って帰る。色気は…

乾杯を交わすも中身はファンタ。親戚一同でごはんを食べる。あと何回会えるかわからないから、と祖母がさらりというので、思わず固まってしまう。のんびりしてたらいけないなー。あれもこれもと持たされて、肉まで出てきたときには笑った。返すなにかを早く…